『ブラックホーク・ダウン』は、1993年のソマリア紛争で起きた「モガディシュの戦闘」を題材にした戦争映画で、監督はリドリー・スコットです。
リドリー・スコットは『ブレードランナー』や『グラディエーター』などで有名であり、映像美には定評があります。そんな彼が描くこの作品では、戦場の過酷さが非常にリアルに表現されています。
タイトルの意味
タイトルにある「ブラックホーク」は、作中で使用された米軍ヘリ「MH-60Lブラックホーク」のことを指します。
「ダウン」はそのブラックホークが撃墜されたことを表し、予定通りに終わるはずだった作戦が、ブラックホークの撃墜という想定外の事態により泥沼の展開に突入していく様子を表しています。
映画は、戦場に取り残された兵士たちの救出作戦に焦点を当て、その混乱と苦境が描かれています。
戦闘面の特徴
『ブラックホーク・ダウン』の戦闘シーンには、2つの大きな特徴があります。1つ目は市街戦であること、2つ目は映画全体がわずか1日の出来事を描いている点です。
戦争映画の中には、戦争全体の流れを描くものと、特定の作戦や出来事をピンポイントで描くものがありますが、この映画は後者にあたり、1つの作戦に焦点を絞って描かれています。
状況説明は最小限にとどめ、戦場のリアルな描写に徹しているため、ドキュメンタリーのような迫力を感じることができます。
また、この映画では正規軍対正規軍の戦闘ではなく、軍隊と民兵の間で繰り広げられる非正規戦が描かれている点も特徴です。
映画としての評価
この映画が面白いかどうかについては、意見が分かれるところです。前述の通り、ノンフィクションを基にした作品であるため、エンターテインメント性よりもリアリズムに重きを置いています。
そのため、キャラクターの個性があまり際立っておらず、キャラクタードリブンな作品を期待する人には物足りなく感じられるかもしれません。しかし、戦場のリアルさを重視する人にとっては、見どころが多く、非常に魅力的な映画です。
サバゲー界への影響
この映画に魅せられ、同様の戦闘シーンを模したサバイバルゲームを楽しむサバゲーファンも多くいます。
映画に登場する兵器では、ブラックホークを撃墜したRPG7が強烈なインパクトを残しますが、米軍側の装備もM727、M16A2、M733などが登場し、ミリタリーファンを魅了します。さらに、兵士たちの装備が細かくカスタムされており、サバゲーのコスプレ要素を楽しむファンにとっても非常に参考になる内容です。
例えば、ストックのデザートカラー塗装など、細かいディテールにこだわる部分が多く、一時停止しながら細かく観察することで、サバゲーの装備に役立てることができます。
まとめ
『ブラックホーク・ダウン』は、市街地での非正規戦を描いた迫真の戦争映画であり、そのリアリズムに魅了されるサバゲーファンも多い作品です。
戦争映画ファンやサバゲー愛好者にとって、一度は見ておきたい作品として強くおすすめできます。